ロシアの黒パン、ボロジンスキーを作る

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前置き ※だいぶ長いです。

普通パンといえば中身が白いパンを想像されると思いますが、ドイツやロシアでは黒パンのことだそうです。古いネタですが、アルプスの少女ハイジがチーズをたっぷりつけて食べていたパンは黒パンになります。これは材料の違いで、

  • 白パン ・・・ 小麦
  • 黒パン ・・・ ライ麦

となります。日本でもライ麦配合のパンはスーパーでも販売されていますが、これは黒パンとは違うかも。アマゾンさんで買える下記のようなものが黒パンです。

メステマッハー オーガニック プンパニッケル 500g メステマッハー フォルコンブロート 500g ライ麦全粒100%パン・・・混じりけなし、ライ麦全粒粉が100%で、酸味が少なく、とても食べやすいパンが実現しました。Rye whole grain 100% bread 黑麥全麥100% ライ麦全粒粉100%のドイツパン 横浜山手のロッケンシュロートブロート 1個(約800g)

黒パンにもいろいろありますが、今回はボロジンスキー(英語:Borodinsky Bread、ロシア語:Бородинский хлеб)の作り方を紹介します。ボロジンスキーはロシアでは有名なパンですが、日本では入手不可ですし、作っているところもありません。私も本物を食べたことがありませんのでこれでいいのかどうかわかりませんが、興味を持っていただいたり、実際に作るのをチャレンジしていただければ幸いです。

さてそもそもなぜボロジンスキーなのかということですが、嫁が小さいころにお土産にもらったパンが食べたいと言ったのが始まりで、「もそもそして湿っててすっぱくて最初まずいかと思ったけど癖になる味」をネットで探し回りました。最初はドイツの黒パンを作ってみたのですが、「よく似ているけどもっと甘い」という評価でした。その後いろいろあってボロジンスキーにたどり付きました。もっともこれでもお土産のパンとは少し違ったようですが、まあこれでもいいじゃんと落ち着いた次第です。

次にレシピの検索です。ボロジンスキーの紹介をしているページはありますが、日本語のレシピまでは見つかりません。〇〇風レシピとかはあるんですがやっぱり本物に近いものを作りたいということでgoogle先生でロシア語の翻訳を駆使し、ロシア語のレシピを日本語に変換してやっとこれだと思うものを見つけました。機械翻訳ですので変な日本語になるわけですが、そこでよくわからない材料が・・・

  • 赤発酵ライ麦麦芽
  • 65トンの水

赤発酵ライ麦芽はどっかで売っているだろうと高をくくっていました。当然ロシアでは販売されていましたが、日本で売っていません。個人輸入もハードルが高そうです。そして65トンの水。翻訳ミスだろうと想像はつきますが、さっぱり意味がわかりません。そして半年ほど悩んで出した結論が下記になります。

  • 赤発酵ライ麦麦芽 ・・・ ライ麦のダークモルト
  • 65トンの水 ・・・ 65℃の水!!

さてライ麦のダークモルト。こちらは自分で作らないといけません。大麦のダークモルトであれば買えるようですが、ここまで来て妥協はできません。

ライ麦ダークモルト 作り方

  1. ライ麦粒を発芽させる、発芽玄米と同じ要領
  2. タニカヨーグルトメーカーで糖化 65℃ 2時間
  3. オーブンでカラメル化 180℃で1時間強ぐらい 平らに広げて時折混ぜる

1で酵素を活性化し、2で酵素の力によりでんぷんを糖化させます。2と3はプロの方は窯で蒸し焼きにして同時に行うようですが、そんなの無理ですのでヨーグルトメーカーの力を借ります。3は時折味見してください。ポリポリして甘くて苦くて香ばしい感じになればいいと思います。

TANICA 温度調節(25~70℃) ・タイマー・ブザー付ヨーグルトメーカー ヨーグルティアS 1200ml YS-01 (ホワイト)

サワー種なぜ必要か

後ライ麦パン作りに欠かせないのがサワー種です。サワー種は乳酸菌が入っていますので酸味があります。なぜ必要かを説明するのに、まず酵素の働きを見てみます。

  • 小麦パン でんぷんが固まる温度<酵素の活動温度
  • ライ麦パン 酵素の活動温度<でんぷんが固まる温度

となっており、そのまま焼くとライ麦パンはオーブンの中ででんぷんが固まる前に酵素の活動が活発になり、酵素がでんぷんを分解した結果、べちょべちょした残念な結果になってしまうのです。この酵素の活動は酸性にすることにより抑えられるため、サワー種が必要となるわけです。ぶっちゃけレモン汁や酢でも構わないため、〇〇風レシピにはよくサワー種の代用品が使われています。

サワー種の作り方

  1. 水50g ライ麦粉50g をよく混ぜる
  2. 1日放置
  3. 水50g ライ麦粉50g を追加 よく混ぜる
  4. 1日放置
  5. 4の半分(100g)と 水50g ライ麦粉50g を追加 よく混ぜる (残りは冷凍して初種として残せるらしい・・・)
  6. 1日放置
  7. 完成 すっぱいにおいがして泡がぶくぶくしている

こうやって天然酵母と乳酸菌を取り込んで活性化させます。私は出来上がりを安定させるため、最初にこだま酵母少々とラブレ(生きた植物性乳酸菌)を少し混ぜます。あと1日放置するのにここでヨーグルトメーカーを使い、設定は25℃24時間としています。にしてもこのヨーグルトメーカー25℃~65℃で48時間まで設定可能ってすごいですね。性能がいいので大学の研究室でも使われているとか・・・

発酵前 発酵後

パイオニア企画 白神こだま酵母ドライG 40g(5g×8袋) カゴメ 植物性乳酸菌ラブレ3P 12パック

ボロジンスキーの作り方

さてここでやっと本番のレシピ公開になります。分量は食パン2斤型一つ分です。

  • A
    • ライ麦粉 ・・・ 300g
    • ぬるま湯 ・・・380g
    • サワー種 ・・・ 100g
  • B
    • ライ麦粉 ・・・ 100g
    • ライ麦ダークモルト ・・・ 50g
    • 熱湯 ・・・ 400g
    • コリアンダー 5g
  • C
    • ライ麦粉 ・・・ 350g
    • 中または強力粉 ・・・ 130g
    • 水 ・・・ 150g
    • モラセス(廃糖のこと、糖蜜でも可) ・・・ 40g
    • 砂糖 ・・・ 56g
    • 塩 ・・・ 10g
  • その他
    • 片栗粉少々
    • コリアンダーシード
    • バター(ラードのほうが本格的)

A、水は煮沸後ぬるま湯程度にさまし、ほかの材料と混ぜ合わせ1日放置。

発酵前 発酵後

B、ライ麦ダークモルト、コリアンダーをミルミキサーで粉末にし、ライ麦粉と熱湯とよくなじむまでかき混ぜ、ヨーグルトメーカーで65℃2時間発酵

ロシアのレシピサイトでは、熱湯でこねた後、魔法瓶にいれて1日放置とありました。「65℃で発酵するよ」って説明が65トンに誤訳されていました・・・

コリアンダーシードとライ麦ダークモルト ミキサー後、ライ麦粉と混ぜ合わせる
熱湯でこねた 発酵後、色が濃くなります。

C、A,B,Cをすべて混ぜ合わせる。

我が家はキッチンエイドKSM7WHを購入しました。速度2で10分ぐらい混ぜます。

パン型1個につき角砂糖1個分ぐらいのバターを型の内側に塗ります。生地が非常に焦げやすいので、やっとかないと型から外れなくなります。

型に生地を入れ、片栗粉を水で溶き(半々程度)、生地の表面に塗って滑らかにした後コリアンダーシードをまぶします。少し押し付けたほうがよくくっつきます。

1.7倍程度の大きさになるまで発酵させます。気温にもよるのですが、4~5時間かかります。表面が丸みがあるのが好ましいので、下記の写真は発酵させすぎです。

オーブンを230℃に予熱し、1時間焼成します。5分毎に10℃さげ、180℃まで徐々に下げます。

出来上がり!!発酵させすぎで少し天井がへこんでます。ちょうどいい発酵だと膨らんで仕上がります。

そのまま食べてもおいしいですが、トースターで焼くと香ばしくなります。

またクリームチーズを塗ったり、酸味があるおかずとよく合います。

ロシアやウクライナではサーロ(豚の脂身の塩漬け)をのせてウォッカのつまみにしたりするようです。

 

 

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