ThinkPad E14 Gen5(Core i7 13700H)は性能向上の余地はほぼ無いと思う

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ThinkPad E14 Gen5(Core i7 13700H)の性能が期待したほど良くなかったので、いろいろやってみました。
結論から言うと、性能向上の余地は殆んどなさそうです。

ThrottleStopというソフトウェアを使えば、CPUの動作状況を確認したり、設定されているパラメタを見たり変えられるものについては変えたりできます。
このソフトウェアを使用するとPCが壊れる可能性があるので、ご使用の際は自己責任でお願いします。

初回起動時に物々しいメッセージが表示されます。

このソフトウェアでベンチマーク実行中のログを採り、温度と電力をグラフにすると次のようになりました。
CPUのパラメタは初期値のままです。

CPUの電力に制限がかかって増減を繰り返しているのがわかります。

CPU温度がかなり低くても制限がかかることが確認できます。
また、ThrottleStopでリアルタイムに制限の状況を確認できるのですが、次のように温度の制限がかかっているのが確認できます。

どの温度で判断しているのか分かりませんが、CPUの温度が80度以下でサーマルスロットリングがかかるのは、ちょっとやりすぎな気がします。

次に、自作した冷却台を使用して確認します。

サーマルスロットリングは起こらず、電力供給が安定しています。
スコアは9,158から11,058まで向上します。

グラフを見ると分かるのですが、電力が一瞬43Wくらいになり、その後は10秒ちょっと41Wくらいで推移したのち、35Wで推移しています。
ログを見ると、PL2に移行して電力が43Wになった後にすぐ電力供給の制限がかかっています。

ThrottleStopで確認すると、PL1が35W、PL2が43Wに設定されています。

Core i7 13700Hは最小保証電力が35W、PL1が45W、PL2が115Wですので、CPUのスペックに対してかなり低い設定になっているようです。
標準で設定されている43Wでも電力供給に制限がかかるのもちょっと気持ち悪いです。

ThrottleStopを使えばPL1,PL2の値は変更できるので確認したところ、41Wを超えたあたりで制限がかかるようです。

元々の設定でも電力制限がかかっているので、かからない範囲で性能が最大になるであろう設定(PL1:40W、PL2:40W)にしてみたところ、スコアが11,944になりました。
グラフを見ると電力に制限もかからず動作しています。

ログを見るとPL2で動作し続けているようです。

この設定がこのPCでのきれいに動作する最大の性能な気がします。

いろいろ試しましたが、論理的に性能が最大になるCPUが許す最大の設定であるPL1が45W、PL2が115Wで試した結果だけ紹介します。

(ファンの出力を固定していないため、温度のグラフに一貫性はありません)

電力に制限がかかり続けて、結果41Wをちょっと超えたあたりでずっと動作しているようです。この時のスコアは12,056でした。

前の記事でいろいろなACアダプタを試しましたが、CPUへの供給電力に制限がかかるので標準の65Wより大きなものを使ったところでスペックが良くなりはしませんでした。

壊すリスクを負っても得られる性能向上が僅かなため、こういう機種ということで標準のまま使用するのが良いのではないかと思いました。

今回確認して性能向上の制限になっている個所は、ユーザが変更できない場所でした(認識に間違いがなければ)。
温度や電力に対する安全マージンがかなり大きく取られており、CPUが許容する温度・電力にはまだまだ余裕があるので、BIOSやファームウェアの更新で緩和できるようなら、お願いしたいところです。
CPU以外の基板や電源回路等のスペックが物理的に対応していないようなら無理ですが。

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