ノートパソコンをもっと冷やす(冷却台を自作した話)

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私にとって理想に近いノートパソコンが発売されました。

持ち運び出来て、家で使う時は水冷でしっかり冷やせます。

最近の高性能なノートパソコンは熱のせいでちゃんと性能が出なくて、バッテリーの持ちもイマイチです。

上で紹介したものは水冷で大げさですが、家ではしっかり冷やして高性能で動作し、持ち出す場合は性能が下がっても良いので東京-大阪間の新幹線往復の時間くらいはバッテリーが持って欲しいところです。

閑話休題。

前の記事で市販の冷却台でどれくらいの効果があるか確認しました。

市販の冷却台の裏側を見た時に、思うことがありました。

まず、写真の黄色で示した箇所ですが、ファンと筐体の間に大きな隙間があります。
冷却台とパソコンの隙間は狭いのでファンが風を送る際に抵抗になり、隙間から風が逆流して効率が下がる気がします。

また、この製品は大きなファンが一つと小さなファンが四つあります。
もし大きなファンの能力の方が小さなファンより大きいとしたら、青い矢印で示した風の流れが出来て小さなファンを邪魔しそうな気がします。
小さなファンの能力が十分な場合でも、黄色で示した隙間から風が抜けてしまう気がします。

流体力学は詳しくありませんが、構造的にあまり効率的ではない予感がします。

加えて前の記事で書いた通り冷却台に加工しているので、抵抗が増えてますます非効率になっている予感がします。

そしてこの製品に使われているファンはプロペラファンというもので、風量は多いけど圧力は弱いという認識です。
風の通り道の抵抗が大きい場合はプロペラファンより遠心ファンの方が向いているハズです。
(この辺の話は専門外なので間違っているかも)

そこで、より効率が良いかもしれない冷却台を作りたくなったので、やってみます。

まず、FreeCadでモデリングします。
今回は出力サイズが大きいので2分割します。

3Dプリンタで出力します。

2分割なのでフィラメントの色を変えて遊びます。赤黒のThinkPadカラーにしたかったのですが、黒のフィラメントが足りなくなりそうなのでグレーにしました。

はめ込める構造で作っていて、はめ込んでみたら良い感じで繋がりましたが、念のため接着剤でくっつけます。
今までは普通の瞬間接着剤を使っていたのですが、ネットで調べて評判が良かったアクリサンデーを使ってみます。

ファンを取り付けます。これを買いました。

風を逃がさないために隙間テープを貼ります。

完成です。

ファンの風をノートパソコンの吸気口に漏れなく送る作戦です。ファンに流れ込む風がノートパソコンの背面をついでに冷やすという効果もあればなお良しです。
キーボードが使えませんが、自宅ではクラムシェルモードで使っているので問題ありません。

さっそくベンチマークを取ってみます。今回のファンには風量の調整が出来るので、最小と最大の2パターン試します。
Cinebench R23のマルチコアを実行時間を10分に設定して実行してみました。

冷却台なし 4153
市販冷却台あり(無加工)
※前回記事
4438
市販冷却台あり(加工)
※前回記事
4695
自作冷却台あり(ファンMIN) 4908
自作冷却台あり(ファンMAX) 4719

ベンチマーク実行中のCPU温度と周波数の推移をグラフにしてみました。

「自作冷却台あり(ファンMIN)」が「冷却台なし」と比較して1.2倍近くのスペックアップです。

「自作冷却台あり(ファンMAX)」がとてもよく冷えていますが、何故か「自作冷却台あり(ファンMIN)」に性能で負けています。クロック数も同等の推移をしているように見えるのですが、何故でしょうか。何度か測定しても同じ傾向でした。ファンのノイズの影響とか、純正ファンの認識がおかしくなっているとかですかね。

今回購入したファンは能力が高過ぎました。ファンの風量を最小にしても十分な性能が出ています。
音も爆音で、風量最大だと体感で掃除機くらい、最小でもドライヤーの弱より少し小さいくらいの音です。最大の方が性能が良かったとしてもうるさすぎて使えません。
最大だとUSBポートやSDカードスロットから風が吹き出して恐怖を覚えます。

狙い通りのものが作れて効果も出たので今回は満足しました。
別のアイデアも浮かんでいますが、そろそろ手放そうかと思っているPCなので、今回は実験台という事にして次のPCを買った時に次回作に挑もうと考えています。
その際はもうちょっと小さくて静かなファンにします。

私が一番言いたいのは、しっかり冷やせば性能が1.2倍になるんだから、こういった冷却デバイスを公式が開発して販売して欲しいという事です(こんなごついのはダメですが)。昔あったThinkPadのドッキングステーションのような形が良いのではないかと。

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