ThinkPad E14はThinkPadの中では低価格なモデルで、レビューを見ていると安っぽさを指摘されることがあります。
実際にどうなのか、3週間ほど使ってみた感想を述べます。
ThinkPadと言えば剛性が高いことが特徴といわれることがあります。
今までX40、X300、T420s、X1、P1、T580などを使用してきましたが、意外とE14がいちばん固い気がします。
ディスプレイの天板や本体の端を摘まんでもたわみが少ないです。
その代わり、ちょっと厚くて重いです。
重さは実測で1,499g、厚さはテーブルに置いた状況でゴム足込みで25.5mmでした。
表面の質感が今まで使ってきたThinkPadと違っています。
他のThinkPadはピーチスキンなどと呼ばれる塗装がなされていたのですが、これは素材そのままな感じです。
これも別に悪くはない気がします。
この素材感なら黒以外も映えそうです。
ThinkPadは指紋などの手の汚れが付きやすいといわれるのですが、素材が違うこの機種ならつきにくいかと思ったのですが、同じように汚れが目立つ感じです。
ディスプレイは2.2K液晶 (2240 x 1400)を選択しましたが、アスペクト比が16:10で縦が長くいい感じです。
16:9の時代が長く続きましたが、ようやくまともになってくれました。
キーボードは一番右のキーの横幅が狭くちょっといまいちと思っていましたが、そこまで違和感なく、ホームポジションに手を置いたときの体の位置も少しだけですがPCの中央に近づくので、これはこれで悪くない気がします。
ただ私はUSキーボードを選んだから良いのですが、JPキーボードだとエンターキーの左横のキーの幅が狭くなっているので、私だったら許容できない気がします。
13インチ以下の機種ならしょうがないのですが、14インチの機種でキーの形を不自然にするのは止めてほしいところです。
キータッチは、少しストロークが短い気がしますが、ブレは少なくて剛性感が高く悪くない気がします。
X1などの他のThinkPadのキーボードの評判がよくないので、もしかしたらE14の方が打鍵感が良いかも知れません。
タッチパッドは十分広いです。
私は使わないので無効化していますが。
電源ボタンはデザイン的に好みじゃないですが、機能的には問題ないです。
USB-Cは2つあり、Thunderboltに対応しているのは手前側のポートだけなのが注意が必要です。
USB-Aは左右に一つずつありいい感じです。
右側に有線LANポートもあり、これもいい感じです。
他のThinkPadでは選べるNFC、スマートカードリーダーが選択できません。WWANも選べません。SDカードリーダーもありません。人によってはNGかも知れません。
電源ポートは無く、USB-Cで充電します。まあ最近では一般的な構造です。
個人的にはUSB-Cと充電のポートは分けてほしいです。
例えばUSB-Cでデュアルディスプレイに接続した場合に電力供給をディスプレイに頼ることになってしまいます。
ディスプレイの供給電力では不十分な場合に困ります。
USB-Cでも充電できる、は便利ですが、USB-Cでしか充電できない、は不便です。
ディスプレイのヒンジのデザインが一般的なThinkPadと違い、左右が分離していません。ただこれはP1も一緒な構造なので特に安っぽいという印象は個人的にはありません。
この構造でもちゃんと180度開きます(なんで設計を統一しないのか不思議です)。
最近のThinkPadは天板にコミュニケーションバーという出っ張りがありますが、この機種にはありません。カメラがある場所が凸になっていますが、天板側はフラットです。
天板側の出っ張りがある機種を使ったことが無いので何とも言えませんが、カバンの中で書類等が傷ついたり引っかかったりしたりしそうなので、無いほうが好みです。
デザイン的にもコミュニケーションバーに「X13」などと書いてあるのですが、それがあまり好きではありません。
一番の驚きは、天板にあるThinkPad文字ですが、たぶんシールになっています。
今までの機種は文字が凹んでいて刻印されている感じの作りだったのですが、天板に直接シールが貼られており、文字の部分が出っ張っています。
コストダウンのためでしょうか。(ThinkBookとかと共用している?)
キーボード側は凹んでいるので、こっちの雰囲気に合わせてほしいところです。
このシールは異様にキラキラしているので、踏ん切りがついたら剝がしてみたいと思います。
総合的には、個人的な好みを置いておくとすればコスパが高い、値段の割にしっかりとした作りの機種だと思いました。