プロローグ
本州・九州・四国に挟まれた海域、瀬戸内海。そこには大小合わせて3,000もの島々が存在する。海に浮かぶ島々を望むその風景は景勝地として世界的にも評価が高く、その絶景たるやシルクロードの命名者でもあるドイツ人の地理学者フェルディナンド・フォン・リヒトホーフェンに「これ以上のものは世界のどこにもないであろう」と言わしめるほど。また、朝鮮通信使が瀬戸内海を望む鞆の浦を「日東第一景勝(日本一の景色)」と称えた記録も残されている。豊かな生態系も有名で、400-500種類を超す魚類が生息しており、今では姿を消したがかつてはクジラの一大生息地でもあった。また、たくさんの船が行き来する航路でもあり、漁船、定期船、貨物船、旅客船など様々な船が行き交うその風景は、それを見る者の目を楽しませてくれる。
大小さまざまな島が浮かぶ瀬戸内海。その中でも最も大きい島が淡路島で、シンガポール島とほぼ同じ大きさである。そして淡路島から西へ60kmほど行くと、瀬戸内海で2番目に大きな島「小豆島(しょうどしま)」がある。
小豆島では、温暖な瀬戸内海式気候を活かしてオリーブやミカン、スモモなどの栽培が行われている。また素麺、醤油、佃煮、胡麻油などの生産も盛んである。小豆島は2つの島で構成されているが、古くから橋で繋がっており、慣例的に一つの島として扱われている。ちなみにこの2つの島の間にある土渕海峡(どふちかいきょう)と呼ばれる小さな海峡は、ギネスブック認定の世界で最も幅の狭い海峡である。離島振興法による離島指定を今まで一度も受けていないのも特徴である。面積が100km²以上の非架橋有人島(北方4島を除く)としては、いずれの振興法の指定も受けていない唯一の例となっている。理由としては、この法律の適用が行われた昭和30年代当時、壺井栄の小説「二十四の瞳」が、舞台である小豆島をロケ地として映画化されたことにより観光客で大変賑わっていた。そのため、離島振興法の適用を受けることによりネガティブなイメージがついてしまう事を嫌ったため、とも言われているが正確な理由は定かではない。一つ言えるのは、離島振興法による国の支援を受けず、経済的に自立している「頑張っている島」なのである。
エピローグ
NHKの平日19:58からやっている気象情報で出てくる小豆島の形、これ完全に「牛」ですよね。